文学青年
近頃、日本の文学を読んでいます。
大学時代、岩波文庫を片っ端から読んでいましたが、西洋文学が中心だったので、日本の文学はあまり読んだことはなかったんです。
学生時代は「思想」に興味があったので、西洋文学も表現よりも内容を重視していました。
当時、日本文学に対して持っていたイメージは「暗い」という程度。
ところが、今、上記の作品にものすごく感動・感激しています。
内容はもちろん、その表現力・美しい日本語に。
考えてみれば、僕が読んだ西洋文学は、原書で読んでいないので、本来の言葉のの美しさが失われているんですね。
それに比べると、日本文学は・・・それも夏目漱石や太宰治などの表現は、彼らをそのまま感じられるわけです。
学生当時の僕にはそれを受け入れる器量が無かったといえばそうなんですが、今はそういうものを楽しめる余裕があるのでしょう。求めているものが違うといいますか。
技術的なすばらしさもいろいろと感じられるのですが、それをここで書くのは無粋なのでイチイチ書きません。(素人ですし)
もはや「芸術」であろうその日本語は、語るものではなく感じるものだと思いますから。
「風が女を包んだ。女は秋の中に立っている」(「三四郎」より)
ああ、この表現力・・・こんな日本語があつかえたらなぁ(無理ですけど)