病気!?な父(後編)

そこに母が登場。

僕「お父さんがさぁ・・・」
母「まぁた、その話してたの?! もう!血圧は何ともないって!薬なんか飲んだらまた病気になるでしょ!」
父「でも、医者が薬出してくれたし・・・」
母「それはお父さんがしつこく話したからでしょ!先生は『ああ、いつもちょっと高めなんですね。これが普通の状態だから薬はいりません』って言ってたでしょ!」
(記録している血圧の推移を持参したらしい)


そう、父はきわめて健康なのです。
まっこと、ありがたいことに。


ただ、父の同年代の人たちはたいてい何か持病がある年代で、父は自分だけ何も持っていないことに心配?不安?不満?を感じているようなのです。


健康診断をきっかけに、何か探そうとしているらしい・・・なんという罰当たりな!


実際、身近に不幸があったり、病気の話を聞いたり、今回の健康診断だったり、といった『機会』があると、父は病気!?になることがあります。

しかも、「処方された薬を飲み続けた結果、なんだか体調が優れなくなる」というパターンまで持っているのです。


「俺は、俺は何かあったときに家族に心配をかけまいと・・・」
と、ごにょごにょ言っていた父は、母の冷たい視線を受けて立ち去ったのでした。