今週のお題「心に残った本」(その2)

ヴィクトル・ユゴーレ・ミゼラブル

初めて読んだのは大学生のとき。
内容は、ご存知の方も多いでしょう。僕の稚拙な文章では作品が台無しになってしまうので、控えさせていただきます。
(著者が伝えたいことは、作品を読む以外に方法はない、と考えていますので)


こういう本って、実体験や世間の観察から、書かずにはいられなかったものだと思います。人間社会の悲惨を無くすことを願って。

僕は西洋文学を中心に読んでいましたが、キリスト教の文化圏ということもあってか、こういった方向性の作品が多く残っている気がします。


学生時代、『何をする?』『どう生きる?』ってことを考えていた年代です。人生経験に乏しいため、今よりずっと頭はかたくて、何事も方程式っぽく考えていました。そんな頃にこの作品に出会って、特にジャベールという登場人物の一生は衝撃で、人間社会が生み出す悲惨さに、電車内で泣いてしまいました。


でも、考えてみると、『社会の悲惨を無くすことを願った』作品が、人の心を打ち、後世へと引き継がれていることの意味もまた悲しいことです。
人が一生をかけて学んでいくことは遺伝子に刻むことはできないため、人間の社会は放置すればすぐに『悲惨』へと向かっていくのでしょうか…

偉大な作品ですが、これがいい意味で『意味不明な』作品になるよう願ってやみません。